「こんなはずじゃなかった」予防に欠かせない色校正

通販サイトなどで「お使い端末によって実際の商品と色味が異なる場合がございます」というような注意書きを目にしたことはありませんか?
端末によって色が異なる? リンゴはリンゴ、赤は赤でしょう?
疑問に思う方もいると思います。

実は全く同じ画像でも使用するモニターによって色の見え方が違う場合があるのです。

デジタル端末は出荷時に画面の色味が未調整であることが多く、同じ画像を同じ色味で表示するにはユーザー側でキャリブレーションという調整作業が必要なのです。
ご自身や家族、友人や同僚のスマホやPC、タブレット端末などを並べて同じ画像を見比べてみてください。
少し赤みがかっていたり、黄色っぽく見えたり、見え方にばらつきがありませんか?

ちなみにApple製品は出荷段階で調整がされているので、並べてもあまり差は出ません。
時間が経つと再調整が必要になりますが、「色味にはこだわりたいけど難しいことは苦手」という方はApple製品を選ぶようにするとよいでしょう。
調整をしようにも一般的なWindowsやAndroid端末は簡単な設定しかできない場合もあります。

色味の見え方が多少違っても普通のご家庭やオフィスでは問題ありません。
そもそも色味というのは曖昧なもので、太陽光と人工光の下でも違って見えます。

しかし、製品や印刷物を作る際には重要なポイントとなります。
同じ場所で隣り合って一つのモニターを囲みながら話し合うならともかく、離れた場所でそれぞれ違う未調整モニターを見ながら「もう少し赤みを抑えて」「いや、もう少し明るく」などと議論するのは時間の無駄になりかねません。

また、モニターと同様にプリンターも必ずしも見えている色と同じ色を出力するわけではありません。
使用する機種の違い、紙の違い、インクの使い方の違いなどで驚くほど色味が変わってきます。

「いざ量産してみたらイメージと違った」という事態を防ぐ手段の一つが「色校正(いろこうせい)」です。

色校正とは、イメージ通りの色味を再現できているか、量産前に本番と同じかそれに近い条件で試し刷りで確認することです。
製品の場合はサンプル制作も有効です。
工程が増えるので時間がかかりますし、コストもかさんでしまいますが、「こんなはずじゃなかった」を避けるためにもお勧めします。